コラム

【歴史館】パーパス:省エネ化に舵を切った 給湯機

2020/1/19 15:00

【歴史館】パーパス:省エネ化に舵を切った 給湯機

2020/1/19 15:00

 日々生活を送る中で、安らぎや癒しを得られるシーンは人それぞれであるが、“入浴”と答える方は多いはず。仕事や家事、学校・部活で疲れた身体をリフレッシュさせ「また明日も頑張ろう」と思える場を“我慢の節約”の矛先にすべきではないだろう。

 2000年、パーパス(旧高木産業) は都市ガス会社と共同開発し、潜熱回収型ガス給湯機、通称『エコジョーズ』を発売した。同機は従来型では排気していた熱を再利用する二次熱交換器を設けたことで効率を高めたもの。給湯熱効率は従来の80%程度から約95%にまで向上した。



 製品化のカギとなったのは、エコジョーズたる所以の技術、排気熱から潜熱を回収する熱交換器の開発であった。ガスを燃焼する際に発生する硝酸成分への耐食性や耐熱性の確保、そして効率向上にも苦労したという。初号機では材質にチタンを採用。固い素材であったが、鈴木孝之営業企画部長は「前身の金属プレス加工業で培ったノウハウを活かし、チタンの加工を実現させた」と当時を振り返る。

 こうして給湯機自体が高効率化に舵を切ったことで、入浴を楽しみながらも、光熱費を抑えることができるようになったのである。市場は年間100万台規模にまで成長。本体価格もこなれ、ますますユーザーメリットのある製品となった。

 さらに現在は、機能面の拡充も図られており、センサーを用いたヒートショック対策や見守りといった事故防止や健康管理、アプリやスマートスピーカーと連携した遠隔操作や音声操作など、安心・安全、利便性を向上する機能が日々追加されている。 給湯機の発展により、お風呂文化はますます進化していくことだろう。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.60に掲載したものより抜粋しています。