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【News Release】TANAKA ホールディングス:パワーデバイス向け「活性金属ろう材/銅 複合材」を開発

2021/7/20 11:30

【News Release】TANAKA ホールディングス:パワーデバイス向け「活性金属ろう材/銅 複合材」を開発

2021/7/20 11:30

発表日:7月20日
発表元:TANAKA ホールディングス
表 題:パワーデバイス向け「活性金属ろう材/銅 複合材」を開発

 TANAKA ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:田中 浩一朗)は、田中貴金属グループの製造事業を展開する田中貴金属工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:田中 浩一朗)が、パワーデバイス向けに工数削減を可能にする「活性金属ろう材/銅 複合材」を開発したことを発表します。

 本製品は、銅(Cu)材の片側に活性金属ろう材を複合化(クラッド)した製品です。セラミックス(酸化物、窒化物、炭化物)や炭素素材など任意の材料にダイレクトに接合することができるため、パワーデバイス用セラミックス回路基板や次世代ヒートシンクへの適用が期待されます。さらに、田中貴金属工業では、本製品を活用した試作提供から、ろう付(※1)プロセス、試験・評価といった顧客のニーズに合わせたさまざまな提案が可能です。

本製品の特長と新工法の提案 ~高放熱化の実現と工程削減の両立が可能に~
性能向上
・高放熱のヒートシンクで要求される、既存工法のエッチング(※2)では困難なセラミックへの厚いCu材の電極形成ができ、さらに配線のファインピッチ化が可能です。
・溶剤を含まない材料である為、残渣がなく、接合信頼性が向上します。

コスト低減
・ろう材の厚みを10μm(マイクロメートル)以下で形成可能なため、従来の活性金属ろう材に比べ銀地金のコストを半分以下に抑え、ろう材熱抵抗を半減できます。
・Cu材が複合化されているため、材料をセットするだけでパターン形成ができ、プロセスコストの削減が可能となります。

環境負荷低減
・溶剤を含まない材料である為、VOC(揮発性有機化合物)が発生しません。
 さらに、ろう付時間が大幅に短縮されることで省エネルギーとなり、環境負荷低減も期待できます。

 上記の特長により、本製品は半導体分野の幅広い用途における活用の可能性があり、特に、放熱分野での展開が期待されます。

各放熱分野における本製品の貢献可能性
 パワーデバイス市場では、さらなる高出力化や高効率化が求められており、それに伴う発熱量の増大で、各部材において高放熱・高耐熱・接合信頼性を持ち、さらに小型化にも対応する材料開発が急務となっています。さらに、EVやHVなどの環境型自動車市場、高出力レーザーダイオード市場、PC、スマートフォンの市場などでの需要拡大が見込まれる次世代ヒートシンク(※3)市場においても同様です。高放熱・高耐熱・接合信頼性を維持するためには、まず、Cu板を厚くすることが求められますが、厚いCu材への電極形成が可能で、エッチングを使用しないことにより接合信頼性が向上する本製品は、高放熱化への貢献が期待できます。

 田中貴金属工業では、2021年より本格的なサンプル提供を開始し、さらに2023年からは量産体制を整える予定です。今後も、顧客ニーズに合わせた製品開発を行っていくとともに、活性金属ろう材のラインナップを拡充することも視野に、引き続き技術開発を進めてまいります。

(※1)ろう付
金属などを接合する方法の一つで、接合する母材よりも融点の低い合金(ろう)を溶かし、母材自体を出来る限り溶融させないで行う接合方法。
(※2)エッチング
化学腐食とも言う。不要部分を溶解、浸食することにより、目的形状を得る工程として用いられる。
(※3)ヒートシンク
放熱・吸熱を目的として機械の構造の一部をなす部品。伝熱特性の良いアルミニウム、鉄、銅などの金属が材料として用いられることが多いが、次世代ヒートシンクとしてグラファイト製のものも注目されている。半導体素子の冷却、冷蔵庫・エアコン等の冷却器、自動車のラジエター・ヒーターなどの用途がある。

< 田中貴金属工業の活性金属ろう材について>
使用されている活性金属ろう材は従来品のアップデート版で、セラミックスへろう付できる銀(Ag)、銅(Cu)、スズ(Sn)、チタン(Ti)系合金の活性金属ろう材です。AgCuSnTi合金は、SnTi化合物が細かく分散しているため、ろう材の厚みを薄くした製造・供給に対応できます。

〔公式ページ〕
TANAKA ホールディングス

※掲載テキストは発表情報の全文または一部抜粋です。元となるプレスリリースは発表元による発表当時のものであり、最新情報とは異なる場合があります。※詳細情報は公式ページをご参照ください