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【News Release】SBパワー:家庭向けデマンドレスポンスサービスのトライアル実施結果について

2020/10/27 19:23

【News Release】SBパワー:家庭向けデマンドレスポンスサービスのトライアル実施結果について

2020/10/27 19:23

発表日:2020年10月27日
発表者:SBパワー
表 題:家庭向けデマンドレスポンスサービスのトライアル実施結果について

 ソフトバンク株式会社の子会社で小売電気事業を行うSBパワー株式会社(東京都港区、代表取締役社長兼 CEO:中野明彦、以下「SBパワー」 )は、2020年7月13日から実施した、各一般送配電事業者から取得した30分ごとの電力量データ(Cルートデータ)と独自AI(人工知能)による需要予測技術を活用した家庭向けデマンドレスポンスサービス(以下「DRサービス」)のトライアル結果についてお知らせします。DRサービスは、SBパワーが独自に開発した専用スマホアプリを通してご契約のお客さまに節電への協力を案内し、節電にご協力いただくと、その節電効果に応じてPayPayボーナスを進呈するサービスです。

■DRサービスのトライアル実施結果の概要
トライアル期間:7月13日から9月30日まで
トライアル規模:4,002世帯
トライアル対象:SBパワーのでんきプランをご契約のお客さま

 4,002世帯を対象に、制御機器を使用しない行動誘発型のDRサービスを実施したところ、全175回のDRサービスに対して平均54.3%のお客さまが参加し、お客さまとSBパワー (小売電気事業者)に下記のメリットがありました。

お客さまのメリット
 SBパワーが独自に開発した専用スマホアプリを通して、お客さまは節電に手軽に参加でき、節電効果に応じて 節電ポイントを獲得できます。さらに、節電による消費電力量の削減によって、電気代の節約にも
2 つながるため、楽しくおトクに節電することができます。参加されたお客さま全体で、合計2万9,365kWhの消費電力量の削減による電気代の節約に加え、合計80万9,200円相当の節電ポイントを獲得しました。

SBパワーのメリット
 SBパワーが事前に節電対象時間帯をスケジューリング※1し、その時間にお客さまが節電を実施することで、特定の時間帯の消費電力量を下げることができます。また、SBパワーのDRサービスは、卸電力取引市場や制度改正への対応を目的に節電の募集通知時間や参加の募集締め切り時間を変えられるように設計しているため、それぞれの目的に合わせて条件を変えることで下記の結果を得ました。

DRサービスを利用した実現可能性
・行動誘発型のDRサービスにより、特定の時間帯の消費電力量を削減できる可能性あり
・スポット市場高騰時の調達量削減や不足インバランスの発生抑止にDRサービスを活用できる可能性あり
・需要量のピーク時間帯を予測することで、特定時間帯の需要量を下げ、容量拠出金の負担額を軽減できる可能性あり
・45分前に節電募集をした場合に1世帯当たり平均0.138kWの消費電力量を削減。約7,200世帯に対して節電募集をすることで、需給調整市場の三次調整力②の最低取引量である1MWの調整量を生み出せる可能性あり

■課題
・節電が不十分な方について
 節電に参加したが、日や時間帯によって節電が不十分(削減電力量が目標未達)であった方がいました。特定の時間帯の消費電力量をより安定的に抑制するためには、お客さまごとに最適な節電方法を提示するなどの 工夫を行うことにより、参加したお客さまの節電成功率を上げる必要があります

・削減電力量のばらつきについて
 日や時間帯によって削減電力量にばらつきが発生していました。スポット市場高騰時の調達量削減や不足インバランスの発生抑止にDRサービスを活用するためには、削減電力量のばらつきを抑えつつ、少なからず発生するばらつきに対応する必要があります。

・容量拠出金の負担額軽減について
 需要量のピーク時間帯を正確に予測し、その時間帯に消費電力量を削減する必要があります。

・需給調整市場の三次調整力②への参入可能性について
 エリアごとに最低取引量の1MWを生み出す必要があるため、参入するエリア内で7,200世帯に節電に参加していただく必要があります。また、需給調整市場における三次調整力② 向け電源として活用するためには、45分前の指令値の変更に対して供出可能量の誤差範囲を上下10%以内に抑える必要がありますが、30分当たりの削減電力量にばらつきが発生しているため、節電に成功する方 の属性や 傾向を分析し、節電を依頼する目的に応じて募集対象者を選定するなどの工夫を行うことにより、安定的に供出可能量を生み出す必要があります。

今後の取り組み
 今回のトライアル実施の結果、Cルートデータを活用した行動誘発型のDRサービスにより電力の小売事業へ活用できる可能性を見いだすことができました。ただし、削減電力量は日や時間帯によってばらつきも発生していました。SBパワーは、より効果的に特定の時間帯の消費電力量を削減する方法を引き続き検証し、実効性のある行動誘発型のDRサービスの実現に向け取り組みます。さらに今後の取り組みとして、募集時間を10分前など直前にした場合の削減電力量の検証や、節電による消費電力量の削減だけに限らず、太陽光の出力が大きい時間帯にはお客さまに電気を使っていただくことにより消費電力量を上げる、上げDRサービスにも挑戦したいと考えています。

〔公式ページ〕 
家庭向けデマンドレスポンスサービスのトライアル実施結果について
※掲載テキストは発表情報の全文または一部抜粋です。元となるプレスリリースは発表元による発表当時のものであり、最新情報とは異なる場合があります。※詳細情報は公式ページをご参照ください