発表日:10月13日
発表元:経済産業省
表 題:「東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク2021」を開催しました
経済産業省は、「ビヨンド・ゼロ」(世界全体のカーボンニュートラルとストックベースでのCO2削減)を可能とする革新的技術の確立と社会実装に向け、個別の挑戦課題と社会実現の道筋・手法を提示する「東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク」(10月4~8日)を開催しました。(合計でのべ約17,000名が参加登録。)
東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク(10月4から8日)
・ 第1回アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合(10月4日)
・ 第3回カーボンリサイクル産学官国際会議(10月4日)
・ 第4回水素閣僚会議(10月4日)
・ 第10回LNG産消会議(10月5日)
・ 第3回TCFDサミット(10月5日)
・ 第1回燃料アンモニア国際会議(10月6日)
・ 第8回ICEF(10月6日・7日)
・ 第3回RD20(リーダーズ・セッション)(10月8日)
我が国は、昨年10月に2050年までのカーボンニュートラルを宣言しました。その実現に向け、あらゆる施策を動員して率先して取り組むとともに、世界全体のカーボンニュートラル、更には過去のストックベースでのCO2削減(「ビヨンド・ゼロ」)に向け、トランジションの加速化、革新的技術の確立と社会実装を目指し、世界の脱炭素化をリードしていきます。
気候変動問題は、世界共通の喫緊の課題であり、日本をはじめとする先進国はもちろん、新興国や途上国も含めた世界全体で取り組んでいく必要があります。一方、各国がおかれた経済的・地理的事情は様々であり、実効的な排出削減に向けた取り組みを進めていくためには、こうした多様な実態を踏まえた上で、画一的なアプローチではなく、幅広い技術やエネルギー源を活用した「トランジション」を加速化していくことが不可欠です。さらに、こうした多様な道筋によるトランジションとともに、これまでの技術の延長線上にはない革新的なイノベーションを創出と社会実装を進め、「経済と環境の好循環」を生み出すことで新たな成長機会につなげていくことは各国共通の課題です。このような考え方のもと、我が国は、昨年1月に「革新的イノベーション戦略」をまとめ、本年6月には「グリーン成長戦略」を策定するとともに、野心的なイノベーションとその社会実装に挑戦する企業を支援する「グリーンイノベーション基金」を創設することで世界をリードするとともに、国際連携にも積極的に取り組んでいます。
こうした取組の一環として、経済産業省は、昨年に引き続き、カーボンニュートラル、さらにはビヨンド・ゼロに向けたエネルギー・環境関連の国際会議を集中的に開催する「東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク2021」を実施しました。
各国閣僚や各分野をリードする世界の有識者、指導者を招き、ビヨンド・ゼロ実現に向けた個別の挑戦課題とこれらを社会実現する道筋・手法について幅広い議論を行い、「多様な道筋」「イノベーション」「途上国とのエンゲージメント」をキーワードとして、「経済と環境の好循環」の実現に向けた現実的かつ具体的な道筋・絵姿を世界に対して発信しました。アジアのグリーン成長等の分野横断的な議論とあわせ、我が国が世界に先駆けて取り組んでいる水素・アンモニア、カーボンリサイクル等の重点分野について、我が国の技術的知見を各国と共有していくことにより、国際的な議論や協力をリードするプラットフォームとして世界全体のカーボンニュートラル達成に貢献していきます。
(1) 第1回アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合(10月4日)
アジアを中心とする20の国の閣僚と3の国際機関の代表の参加を得て、可能な限り早期の世界全体でのカーボンニュートラル達成に向け、グリーン成長の実現と、現実的かつ多様なエネルギートランジションを加速化していく必要性について議論を深めました。特に、カーボンニュートラルの実現に向けては、その道筋は一つではなく、各国ごとに異なる道筋があることや、イノベーションの促進、及びアジア各国への積極的なエンゲージメントが重要であることを確認しました。特に、各国の事情を考慮し、様々なオプションを活用した多様かつ現実的なエネルギートランジションの考え方やAETIに基づく日本の支援等について、各国・各国際機関から共感や歓迎の意が表されるとともに、それぞれのエネルギートランジションの推進に向けた取り組みが紹介されました。また、世界全体でのカーボンニュートラル実現に向けては、革新的なイノベーションに向けた国際協力と各国のエネルギートランジションを支えるファイナンスの必要性と各国のエネルギートランジションを支えるファイナンスの必要性が強調され、国際社会からの協力に対する期待が述べられました。また、会合でのこうした議論を受けて、議長サマリーを発表しました。
(2) 第3回カーボンリサイクル産学官国際会議(10月4日)
CO2を資源として活用するカーボンリサイクル分野(コンクリート・セメント、燃料・化学品、研究開発・投資)における産学官の第一人者が国内外から参加し、講演・パネルディスカッションを通じて先進的な技術事例や具体的な取組を共有し、カーボンリサイクルの社会実装に向けた今後の方向性を発信しました(32か国・地域から約2800名が参加)。
また、カーボンリサイクルの社会実装に向けた日本の直近1年間の取組として、「グリーン成長戦略カーボンリサイクル実行計画」の策定や「カーボンリサイクル技術ロードマップ」改訂などの進捗を「プログレスレポート」として取りまとめ、発信するとともに、国際連携を強化しつつ、オープンイノベーションを加速することを確認しました。
(3) 第4回水素閣僚会議(10月4日)
18人の閣僚を含む29の国・地域・国際機関等の代表者、そして各企業の代表者からメッセージをいただき、世界で加速する水素関連の取り組みについて共有するとともに、今後グローバルでの水素利活用を一層推進するべく、課題や政策の方向性を共有しました(29か国・地域から約3200名が参加)。
(4) 第10回LNG産消会議(10月5日)
第10回LNG産消会議は、エネルギートランジションの鍵となる資源としての位置付けの明確化を目指し、主に①“トランジション・エナジー”として重要性を増すLNGの役割、重要な資源であるからこそ、②LNGをよりクリーンに利用する、という2つのテーマで議論を行い、産消国双方の更なる連携の必要性を確認しました。25か国以上の閣僚級や、70以上の企業・国際機関のトップからいただいたメッセージをホームページに掲載しました(約55か国・地域から約2200名が参加)。
資源エネルギー庁保坂長官からは、LNGがカーボンニュートラルに向けた移行期間において重要な役割を果たすこと、必要なLNG・ガスの上流投資が求められていることを世界に発信をするとともに、これまで日本が主導する形で、LNG産消会議において議論を続けてきた、仕向地制限の撤廃に関するJOGMECの調査結果とその成果を発表しました。
(5) 第3回TCFDサミット(10月5日)
産業界・金融界のリーダーが適切な投資判断の基盤となる開示の拡充を促すべく、更なるTCFD提言の活用に向けて議論しました。具体的には以下を主要な成果として共有しました(28か国・地域から約3600名が参加)。
・投資家によるカーボンニュートラルへのコミットメントは、ダイベストメントではなく、エンゲージメントにより達成することが重要
・サプライチェーン全体での排出削減が重要である中、スコープ3は実践面での課題解決のために算定方法の確立が必要であり、チェックボックス方式に陥らずスコープ3開示がなぜ必要なのか背景を理解することも重要
・化石燃料への依存度が高いアジアを中心として、世界的にトランジション・ファイナンスは不可欠であり、開示の中でトランジション戦略が示されることが重要
・日本のコンソーシアムの活動をきっかけに海外でもコンソーシアム設立に向けた動きがある。日本からの貢献が世界的な開示の拡大に果たす役割が大きい
・「グリーン投資ガイダンス2.0」、「ゼロエミチャレンジ第2弾」を発信
(6) 第1回燃料アンモニア国際会議(10月6日)
今回、日本の主催により初開催となった燃料アンモニア国際会議は、燃料アンモニアの生産・利用の中心的な役割を果たすだろう産ガス国などの各国政府代表、産業界、国際機関がオンライン上で一堂に会する新たなプラットフォームとなりました(8か国から1,500名超が参加)。
この会議では、各代表による講演のほか、国際エネルギー機関(IEA)によるアンモニア発電の展開にかかる分析レポート(The Role of Low-Carbon Fuels in Clean Energy Transitions of the Power Sector)の発出や、マレーシアの石炭火力へのアンモニア混焼に関する企業間MOCの締結も実施されました。
今回の会議を通じて、安定的、低廉で柔軟性のある燃料アンモニアバリューチェーン・市場構築に向けた官民による戦略的取組が具体的に検討され、進められていることが示されるとともに、燃料アンモニアの認知向上を含む国際連携が極めて重要であることが改めて認識されました。
(7) 第8回ICEF(10月6日・7日)
世界の産官学のリーダーが参加し、気候変動問題解決に向けたイノベーションの重要性について議論を行いました(87カ国・地域から2,000名以上が参加登録)。今年は2050年の社会の中心を担う35歳以下の若手世代も各セッションに登壇しました。「2050年カーボンニュートラルへのそれぞれの道筋;グローバルな脱炭素化の加速」をテーマとし、カーボンニュートラルを達成するための具体的かつ「現実的」な手段に焦点が当てられました。この中で、各国/地域それぞれの実情に合わせた多様な道筋(Pathways)の重要性、5つの技術分野における開発・導入の見通しなどが議論され、その成果を盛り込んだICEFステートメントが採択されました。
(8) 第3回RD20(リーダーズ・セッション)(10月8日)
20の国・地域のクリーンエネルギー分野の研究機関のトップが参加し、国際連携の強化に向けて議論を行いました(約1200名が参加登録)。
この中で、国際共同研究の推進、人材や施設の能力開発の強化、知的財産の重要性等が指摘され、これらを盛り込んだリーダーズ・ステートメントが採択されました。また、本会合に先立って開催された技術セッション(セクター別の脱炭素化、水素の社会受容性、次世代エネルギー制御システムについて議論)の成果、及び、具体的な国際共同研究を創出する目的で新たに活動を開始した「国際連携Taskforce」について報告がなされました。
〔公式ページ〕
▷経済産業省:「東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク2021」を開催しました
※掲載テキストは発表情報の全文または一部抜粋です。元となるプレスリリースは発表元による発表当時のものであり、最新情報とは異なる場合があります。※詳細情報は公式ページをご参照ください
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