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【News Release】手刻み同好会:これからの時代の家づくりを問う。大工技術の継承と価値の再定義を目指すコミュニティ「手刻み同好会」発足

2021/10/8 18:00

【News Release】手刻み同好会:これからの時代の家づくりを問う。大工技術の継承と価値の再定義を目指すコミュニティ「手刻み同好会」発足

2021/10/8 18:00

発表日:10月8日
発表元:手刻み同好会
表 題:これからの時代の家づくりを問う。大工技術の継承と価値の再定義を目指すコミュニティ「手刻み同好会」発足

 大工の手加工技術「手刻み」の保存と継承を目指して、全国の有志工務店、有識者、建築家がつどい情報交換をする学び合いのコミュニティとして発足した手刻み同好会は、この度、吉野製材工業協同組合の協力のもと、手刻み大工の集い「Hut to tekizami2021 in 吉野」を開催する運びとなった。11/6(土)、11/7(日)の2日間にかけて、奈良県吉野町において、手刻み技術の披露、有名建築家を招いたトークイベント、工務店や建築関係者の交流の場づくりを行う。

なぜ今、手で刻む技術の継承が必要なのか?
 手で刻むと書く「てきざみ」とは、家づくりに使う木材の接合部分を手仕事で加工する大工の技術を指します。新築はもちろんのこと、とりわけ、住宅リフォームにおいて、古い部材と新しい部材を接合する際などに、材木や家の癖に合わせた手加工が必要となり、手刻みの知識と技術が必要となります。
 かつて「山をみて家を建てる」と言われたように、大工の役割は、古くから継承されてきた職人の知恵と現代を生きる感覚に基づいて、自然をよみ、木を目利きし、加工することで、四季を通した理想の暮らしを実現することにありました。地域の大工が、人々や環境に合わせて家を建て、暮らしを診ていく。サステナビリティやトレーサビリティが求められる昨今ですが、実は遥か昔から、日本人は、ごく自然に、このような文化、ものづくりの精神を継承してきました。
 近年、日本の住宅市場において、ストック住宅(既存物件・中古住宅)はすでに総世帯数を超え、空き家問題が課題となっています。また、環境への配慮やサステナビリティを志向する若い生活者も増えてゆく中で、リフォームの需要は益々高まっていくことが考えられます。パッシブデザイン、耐震など様々な観点から、手刻み技術の時代に合わせた継承と発展は、住宅業界にとって重要事項だと考えられます。

「これからの時代に合わせた、価値の再定義に向けて。」同好会立ち上げの背景と想い
 これからの時代、手刻み技術に対する需要は高まっていくよう思えるにもかかわらず、住宅産業の合理化の流れの中で、手刻みを行う地域の工務店も大幅に減少、熟練大工の高齢化もあいまって、技術継承は窮地に立たされています。
 戦後の住宅建築で主流となったプレカットの工法と比較してみると、手刻みは、工務店や大工にとって手間と技術を要します。それゆえに、これからの時代の日本建築の担い手である若手大工の技術習得や実践の機会も益々少なくなりつつあるのです。また、建築業界においても、デザイン性、健康面、エネルギー効率、耐震、環境負荷など、様々な視点から、その良さを言語化し、発信することは十分にできているとは言えない状況です。
 私たち、手刻み同好会は、人と家、地域と大工文化、暮らしと自然の関係性を今一度見直し、これからの時代にこそ必要とされるこの技術をPRしていきたいという思いから、全国の有志の工務店、学者、建築関係者で結成されました。各参加者が自らの地域、生業にもちかえることができるような技術と知恵を交換し、若手にもひらかれた学びと実践の場づくりを行うことで、日本全体の大工技術、住宅建築の水準をあげることに貢献したいと考えています。

<主な活動>
1 建築家、有識者、手刻みを実践する方をゲストにした技術共有のための勉強会や現場見学会を定期的に行う
2 温熱・性能の研究者と協働し、手刻みの機能性追求、パッシブデザインのアップデートを行う
3 若手を中心に手刻みの技術を用いた「小屋コンペ」を計画し、学び合いと後継者育成に力を注ぐ
4 一般生活者に向けた認知拡大のためのお披露目の場としてイベントを開催する

〔公式ページ〕
手刻み同好会
※掲載テキストは発表情報の全文または一部抜粋です。元となるプレスリリースは発表元による発表当時のものであり、最新情報とは異なる場合があります。※詳細情報は公式ページをご参照ください