発表日:2021年10月8日
発表者:米子工業高等専門学校
表 題:米子高専教員らの研究が二次電池特性向上に貢献!
独立行政法人国立高等専門学校機構 米子工業高等専門学校(鳥取県米子市 校長:寺西恒宣 以下「米子高専」)総合工学科化学・バイオ部門 清水 剛志GEAR5.0特命助教らの研究チームらの研究成果が、アメリカ化学会が刊行する材料化学専門誌ACS Applied Materials & Interfaces(電子版)に掲載されました。
発表概要
米子工業高等専門学校(鳥取県米子市 校長:寺西 恒宣 以下「米子高専」)清水 剛志GEAR5.0特命助教らの研究チームが、金属フタロシアニン(注1)を炭素原子または窒素原子で架橋した化合物が二次電池のプラス極の材料として有効にはたらくことを発表しました。この成果は、アメリカ化学会が刊行する材料化学専門誌ACS Applied Materials & Interfacesのオンライン版に8月20日に掲載されました。
二次電池とは、マイナス極のリチウムから放出された電子(注2)をプラス極で受け取る際に、接続した機器が電気エネルギーを使用できるデバイスです。二次電池は、充電することで繰り返し使えることから、スマートフォンや電気自動車などのエネルギー源として幅広く使われています。現在では、主にコバルトやニッケルなどのレアメタル(注3)からプラス極の材料がつくられていますが、近年、スマートフォンや電気自動車に搭載できる、軽くて安い材料が求められていることから、軽量で地球上に豊富に存在する有機化合物を使った二次電池の開発研究が有望であるとさており、その中でも、多くの電気を蓄えられる「金属フタロシアニン」とい化学物質がプラス極の材料に今回注目しました。
本研究では、炭素原子または窒素原子1個で架橋した金属フタロシアニンをプラス極の材料、金属リチウムをマイナス極とした電池試作して性能評価を行ったところ、従来のリチウムイオン電池(注4)のと比べて,1.5倍長い時間使える性能を示すことが証明されました。この現象は、平面構造であるのフタロシアニン同士が重なるように並んだ構造に特有の現象と考えられており、今後の有機化合物を用いた二次電池の開発に貢献できる内容となっています。
発表内容
清水特命助教(米子高専)の貢献
二次電池の開発において、長時間使用でき、大きなエネルギーを得られることの2点が重要となります。これらの性能を引き出すためには、高い電圧で多くの電子を蓄えられる電極材料を使用した二次電池の開発が重要です。
清水特命助教は、今回のプラス極の材料の電池開発および電池測定を担当し、炭素原子または窒素原子で架橋した金属フタロシアニンをプラス極の材料とした、長時間使用でき、高電圧を示す二次電池の開発に貢献しました。
フタロシアニンは、これまでのリチウムイオン電池のプラス極の材料よりも多くの電子を蓄えることができる広い平面構造をもっており、それが重なるように並んだ構造をとることによって高い電圧を示したと考えられます。
本研究で用いた金属フタロシアニンは、比較的安い原料から合成でき、マイナス極としてもはたらくことから、リチウム金属不使用の、安全で安い二次電池を開発できると期待しています。
〔公式ページ〕
▷米子工業高等専門学校:米子高専教員らの研究が二次電池特性向上に貢献!
※掲載テキストは発表情報の全文または一部抜粋です。元となるプレスリリースは発表元による発表当時のものであり、最新情報とは異なる場合があります。※詳細情報は公式ページをご参照ください
2023/12/14 18:00
2023/2/3 18:00
PR
2024/7/10 0:00
2022/6/14 15:00
2022/6/13 18:00
2022/6/13 17:00
PR
2024/10/20 0:00
2022/6/13 17:00