太陽光発電

金沢工大&関電、キャンパス内でP2P実証開始

金沢工大&関電、キャンパス内でP2P実証開始

 金沢工業大学と関西電力は2月21日、同大学の白山麓キャンパス内で電力の消費者と供給者が直接電力を取引するP2P実証実験を開始した。

 キャンパス内に設置した太陽光発電をはじめとする再エネ設備や蓄電池からの電力供給を「電力の売り手」、教職員寄宿舎の電力消費を「電力の買い手」として直接取引(電力P2P取引)を行う。研究には関西電力が大阪の巽実験センターで実証実験しているブロックチェーン技術を利用したプラットフォームを活用する。

 今回の実験を通して発電方式の異なる複数電源からの供給量と、実際に使用している住居の電力使用量を用いるためより実践的な実証を行えるという。また複数の実証場所を対象に多様な取引環境に共通して適用可能なプラットフォーム構築を目指す。

〔参照〕
学校法人金沢工業大学白山麓(はくさんろく)キャンパス内におけるブロックチェーン技術を活用した電力直接取引にかかる実証研究の開始について


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住友林業、民間電力取引所を活用した電力小売実証
(2020年2月13日掲載)

 住友林業は2月13日、国内初とする民間電力取引所デジタルグリッドプラットフォーム(DGP)※1を活用した電力小売り実証を開始した。同社が発電企業と卸供給契約を結ぶことで需要家サービスプロバイダ※2となり、住宅展示場5棟にP2P※3で電力を小売りしていく。

 展示場には再生可能エネルギーでの電力自家消費の環境価値を測定する計器を設置。発電源情報をブロックチェーンに記録する実験も並行して行う。測定した環境価値※4は2020年4月以降に取引が可能となる予定。太陽光発電を設置した家庭に計測器を取付け、測定した環境価値を同社が買取るサービスを検討していく。


※1 DGP:デジタルグリッド㈱が推進する電力の自由な選択・売買を可能とするプラットフォーム。
※2 需要家サービスプロバイダ:電力を使用する者に対して、小売り供給契約を締結する取次事業者。
※3 P2P:発電家と需要家の間で、電力を直接売買すること。
※4 環境価値:CO2を排出しない効果の価値。SBTやRE100企業などが排出するCO2と相殺する目的で使用される。

〔参照〕
環境負荷低減目指し住友林業、電力小売りの実証実験へ ~国内初の民間電力取引所を活用~