インタビュー

【ルポ】太陽光発電利用のロックフェスティバル 中津川THE SOLAR BUDOKAN2018

【ルポ】太陽光発電利用のロックフェスティバル 中津川THE SOLAR BUDOKAN2018

 利用する全ての電力を太陽光発電で賄う唯一無二のロックフェス。想定外の掛け算にかける想いと今後の展望を実行委員長が語った。

  楽しみながら太陽光を体感できる場へ

 9月22日、23日に会場の電力を全て太陽光発電で賄う音楽フェス『中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018』が開催された。今年は7回目の開催で、環境面だけでなく「クリアな音を楽しめるフェス」として広く認知され始めている。昨年同様、2日で3万人が来場した。会場では三菱電機製を主にLG Solar ジャパンなど太陽光パネルの発電量147kWの合計579枚と、中央物産などの蓄電池で容量合計571kWhを同時に利用した。

 実行委員長の三尾泰一郎氏はイベントを通して「楽しみながら太陽光発電がいかに安定化電源で生活と適合しているか、ということを認知してもらいたい」と語った。フェスを開催する一方で新たな試みとして、ステージや屋台の電力供給の周波数や使用量を会場近隣の街と比較した実験を行っている。「街の規模に合わせて会場の100倍、200倍大きいシステムを組めば、太陽光発電のみで街全体の電力を賄うことができる可能性もある。実現に向けての実証となれば」とフェスのみでなくスマートシティへの構想も語る。

 これまでは発案者の佐藤タイジ氏の出身地ということもあり、町おこしも含めて中津川で開催してきた。しかし、今後は全国的にソーラーフェス活動を広めていく上で、他地域でも開催することを決めた。10月13日には徳島県坂野郡で『阿波国 THE SOLAR BUDOKAN 2018』を開催し、全国的な広がりを見せる様相だ。

 三尾実行委員長は「太陽光と音楽はメッセージ性がある点で親和性が高い。原発反対と声をあげるだけでなく、好きなアーティストと自然エネルギーの在り方やその有効性について体感し、実感してもらいたい」と思いを語った。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.45に掲載したものより抜粋しています。