インタビュー

サカイガワ:自家消費推進タイプの新・蓄電システムでメーカーポジションへ 初年度販売3,600台を標榜

サカイガワ:自家消費推進タイプの新・蓄電システムでメーカーポジションへ 初年度販売3,600台を標榜

 太陽光発電および蓄電システムの販売を手掛けるエネマネ機器有力商社サカイガワ(佐藤隆社長)は11月より、太陽光発電の自家消費推進を目的とした住宅用蓄電システム『Sun-rage (サンレージ)』を発売した。10kWhの大容量と4kVAの高出力を持ち、停電時は全負荷・200V出力対応のハイブリッド型蓄電システムで、希望小売価格は税抜325万円。同社の西英貴専務取締役は「これまで製品と販売ノウハウ等を合わせて提供してきたが、これにメーカー機能も含めた展開を図り、商流や提案の幅を更に広げていく。同システムの年間販売については3,600台を目指す」と意気込む。
 運送業からスタートした創業30年の同社は、 2012年に環境エネルギー事業を設置し、太陽光発電を中心に販売。蓄電システムについては15年から本格的に取扱い始め、累計5,000台以上の販売実績をつけている。いまや蓄電システム販売だけで事業比率の7割を占め、直近では月250~300台を販売するという。製品と共に提案販売スキームや三者間売買契約の導入支援といった付加価値を加え提供しているが、訪問販売業者のほか通信会社など異業種の新規商流獲得等により100社近くの販売網を築き、 2019年9月期売上高は前年比倍増となる50億円を突破した。
 そんな同社が、今回新たに提供する蓄電システムのポイントは大きく4つある。まず、一般家庭の一日の消費電力を殆ど賄える10kWhの大容量を備え、太陽光発電の自家消費率を高められること。加えて、停電時でも業界最大クラスの契約電力75A相当まで、家中のコンセントがすべて使える全負荷型としており、200Vの高出力によりIHやエアコン、エコキュート等も使用できること。電池セルの正極材には、高い安全性と耐久性で定評のあるリン酸鉄リチウムを採用していること。さらに、遠隔制御技術によって、システムの監視、最新ソフトウェアへの自動アップデート、電力会社からの出力制御への対応を行うほか、将来のVPP対応を見据えたシステム構成になっていることが特長として挙げられる。このほか、蓄電システムおよび電池容量の保証期間を10年、自然災害補償についても10年間の無償補償を標準仕様とし、充実した保証体制となっている。
 新製品においては、メーカーポジションとして展開することになる同社だが「機器販売店向けのみならず、新築ビルダー・工務店や電力グループ会社、ホームセンター等ともアライアンスを組みながら普及拡大の仕掛けを行っていく。拠点も4月に東京支店、11月には長野支店を新設しエリア拡大による一層の拡販も見込んでおり、20年9月期売上高70億円を計画する」と強調していた。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.59に掲載したものより抜粋しています。