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【給湯編】創・蓄・省エネ関連マーケット2019:進む高効率化、シェア45%占有 リプレイス・卒FITで一層躍進へ

【給湯編】創・蓄・省エネ関連マーケット2019:進む高効率化、シェア45%占有 リプレイス・卒FITで一層躍進へ

 高効率給湯機(エコジョーズ・エコキュート・ハイブリッド・エネファーム・エコフィール)の19年出荷台数は、前年比約1%増の164.7万台となった。ZEHや省エネ改修など住宅の高性能化、防災ニーズ、さらには高効率機のストックに対する交換需要などが寄与した。給湯機の全体市場は、例年通り約365万台であり、高効率機のシェアは45%といよいよ大多数を占める従来ガス給湯機と同等の規模にまで拡大した。
 加えて、今年はエコキュート市場において、シェア割の変動が見られた。例年、年間出荷12万台規模でパナソニックと三菱電機の首位拮抗状態が続いていたが、リプレイス需要の活発化により、家電量販向けが前年比50%増と躍進した三菱電機が大きく伸長しトップとなった。またエネファーム市場においても、10月に京セラが東京ガスと小型タイプを開発し参入。狭小地や集合住宅にも対応する省スペース性を武器に、まずは東京ガスが一部地域で販売を開始。19年度は4,000台を見込んでおり、今後のシェア変動は必至となりそうだ。
 20年は先にも触れたリプレイス需要が本格化し始めることから、さらなる市場拡大が見込まれる。交換期を迎える既設のエコジョーズ・エコキュートはそれぞれ150万台以上にも上り、これまで新設を主としていた市場にこれらストックの取替が加わることになる。さらに卒FITユーザー向けには、リプレイスに合わせた蓄熱提案が一層活発化することが予想される。太陽光発電の余剰電力を熱に変換し貯めておく“蓄熱機能”は、エコキュートとハイブリッドが有しており、卒FITユーザー出現に合わせ、全メーカーが対応機能を搭載。既に一部販売店では蓄電池と合わせたセット提案を強めるなど積極的に卒FIT市場への展開を図っている。他方、エコジョーズやエネファームは、ZEH-M向けに採用率が高く、特にエネファームは、補正予算で用意されたレジリエンス強化型ZEH-Mの要件としても想定されていることから、利用率はさらに上昇しそうである。一層高まる省エネ・防災ニーズから市場がますます拡がっていくことは間違いないだろう。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.60に掲載したものより抜粋しています。