インタビュー

SAN NEXAS:堅実な戦略と商圏拡大で8億円越え、倍増収益を志し来期15億円を標榜

SAN NEXAS:堅実な戦略と商圏拡大で8億円越え、倍増収益を志し来期15億円を標榜

 太陽光発電、蓄電池、オール電化関連機器販売店のSAN NEXAS(神戸市、笹川直樹社長)は、今年で創業3年目を迎え、4月期決算の売上高で前年比倍増の8億円を超えた。堅実な営業で順調な滑り出しを見せた同社は、営業力強化のために新規提案を主軸に蓄電池(9.8kWh)のみの単体販売を昨年12月から始め、僅かな期間で8,000万円/月の販売力を身に着けたことも特徴だ。

 笹川社長は、九州の大手太陽光発電システム販売会社で10年以上に亘り営業本部長を務め、2017年に独立。培ったノウハウを活かし、同士を募り5月に神戸市で起業した。太陽光発電システムの訪問販売を地道に営業し続け、3名から始まった同社も今では30名を超える企業へと成長。現在は東京都、福岡県に支店を構え今夏には大阪支店のオープンも控え、毎年商圏を拡大させている。

 主力製品であるエネルギー商材のうち、太陽光発電システムではカナディアン・ソーラーを主体に、長州産業も取り入れ、蓄電池では同じく長州産業、オムロン製を取り扱っている。様々な屋根形状に対応する豊富なラインナップ、コストパフォーマンスの高さ、サポート面での充実さで選定した。「自分が本当に良いと思ったものしか、お客様に提案したくない」という想いだけでなく、営業マンの熱量や企業の製品に対する想いも重要なメーカー選定の基準になっているという。
 起業当初から太陽光発電システムのみの販売を行っていた同社であるが、自家消費ニーズによる蓄電池のセット提案の潮流を受けて自社でも挑戦するも、当時の営業マンは蓄電池販売の経験がなく、思うような利益にならなかった。「売電価格見直し結果がまだ発表されていない時期であったことも踏まえ、来るべきセット提案ニーズに備えた育成投資」と考え、19年12月より蓄電池単体の販売へと断行した。持ち前の熱意と努力が実り、今年2月時点で売上高は5億円を超え、確固たる営業力を身に着けることとなった。

 一方で、2月4日の調達価格等算定委員会にて、10kW未満の住宅用太陽光発電の20年度売電価格は21円/kWhとなった。これにより、多くの卸・販売店は戦略見直しに奔走している。これに対し笹川社長は「想定内」と語った。今後の戦略として「4月からは田淵電機の蓄電池『EIBS 7』を交え、再度、太陽光発電システムのセット提案を行う」と自家消費と災害対策に活路を見出す提案をしていく。
 ただし「“売って終わり”といったことはせずに新規のお客様を大事にするトータルサービスの提案ができればと考えている」と語り、将来的にはリフォーム事業などへの参入も思案している。その信頼・将来性の高さを裏付けるものとして、イオンプロダクトファイナンス、オリエントコーポレーション、ジャックス、プレミアファイナンシャルサービスから信販を受けていることからも堅調なものと窺える。来期からは名古屋方面と宮崎県にも支店を増やし、今のままの勢いを維持して業績向上を標榜する同社の来期目標は「15億円は目指す。業界に携わるものとして、ゆくゆくは大手となれるよう、常に高い目標を持っていきたい」と展望を語った。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.63に掲載したものより抜粋しています。