インタビュー

ソーラーエッジテクノロジー:世界大手太陽光パワコンメーカー 遂にJET認証取得、国内住宅向けに本格参戦

ソーラーエッジテクノロジー:世界大手太陽光パワコンメーカー 遂にJET認証取得、国内住宅向けに本格参戦

 世界大手太陽光パワコンメーカー、ソーラーエッジテクノロジーは2月6日、住宅・低圧用単相パワーコンディショナのJET認証を取得したと発表。本格販売を開始した。新規参入から丸5年。果たしてどのような戦略を描いているのか。国内市場を統括する竹内秀樹ジェネラルマネージャーに今後の方針を訊いてみた。

破竹の快進撃、年平均成長率40%超え

 同社はイスラエルに本社を構える太陽光発電パワコン専業メーカー。同国テクノロジーを結集し06年に設立された比較的若い銘柄である。一方で、その技術力の高さは世界100カ国以上で評価され、今、まさに破竹の勢いで快進撃を続ける。14年以降の年平均成長率は40%と売上高1,500億円規模に到達、累積出荷実績は約15GWを超える。日本国内市場を1社単独で賄えるレベルに相当する年間5GWの生産規模で業界を牽引。単相パワコン市場においては競合各社を抑え世界トップに名を連ねている。竹内ジェネラルマネージャーは「世界で認められた高性能な製品・サービスを住宅事業者や専門販売店の皆さまにお届けしていきたい」と意気込む。同社は15年に日本市場へ参入。産業用を中心に展開してきた。19年2月にはオムロンと低圧分野での製品供給で協業を果たすなど実績をあげてきた。そして自家消費社会の到来を前に住宅市場へと拡販を強めていく。

太陽光パネル1枚を制御、火災・感電対策にも

 認証取得したパワコンは単相5.5kW・総重量12.3kgの小型・軽量タイプ。力率0.95で最大200%までの過積載をサポートする。標準保証10年、20年までの延長保証が可能。25年間無料のモジュールレベルモニタリングによるリモートトラブルシューティングでO&Mコスト削減に寄与するとしている。認証は新単独運転防止機能に対応した5年間のもの。国内での長期的な取り組みとして技術評価センターも横浜に開設するなど本気度が窺える。「当社の製品はパワコンとパワーオプティマイザで構成され、太陽光パネル1枚から制御可能。システム全体の発電効率を最大10%程度まで高められる。メンテナンス効率も向上し長期稼働に貢献する。また特許取得技術である『SafeDC』機能を搭載することで感電や火災リスクを最小限に抑えることができる」という。太陽光パネルの裏側にオプティマイザを実装することで細やかな制御を図れる訳だが、世界で注目されているのはこの安全機能である。通常、何らかの要因でパワコンまたは系統が停止すると直流回路の電流も止まるが、太陽光パネルは発電を続けるため高電圧が掛かり続ける。結果、アーク放電による火災の原因や作業時の感電のおそれが生じる。同社製品はパワ
コンをオフにすると電圧を安全レベルに抑制。関連リスクを最小化する。「既に欧州や米国の一部ではこれらの機能が標準規制として求められている。太陽光発電を安全・安心なシステムに進化させるため普及に注力していきたい」と話していた。世界大手の新機軸。国内浸透や如何に。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.64に掲載したものより抜粋しています。