ZEH・LCCM

はなおか:トレンド先取と独自アイデアで高耐震十ZEHを標準化

はなおか:トレンド先取と独自アイデアで高耐震十ZEHを標準化

 年間180棟規模を供給し、徳島県内でトップクラスの新築着工数を誇るはなおか(花岡秀芳社長)は、ZEH率においても約半数という高い実績を挙げている。 標準仕様化する中でZEHとならないケースは、太陽光発電を搭載しない場合であるが、 今年度より初期費用ゼロ円モデルを取り入れ、課題を解消。さらに蓄電池やV2Hなどの活用も視野に入れるなど、最新のサーピスや機器を上手く活かし、さらなる発展を目指している。

専属大工制で安心を提供、施主目線の住宅づくり

 平成元年に設立した同社は、食器棚や照明、カ ーテンレールなどを総額に含め、わかりやすさを重視した“完成価格” による住宅販売からスタ ー トした。前職ではスーパーマーケットの経営を行っていたという異色の経歴を持つ花岡社長が、消費者目線を主軸に置いてきた経験を活かした戦略であった。その後はデザインにも力を入れ始め、当初一般的な寄棟住宅がメインであった同地で、柱方を活用したモダンな意匠性の住宅商品がヒット。性能面でも、法改正や国の方針に合わせて、高気密・高断熱や長期優良住宅を標準仕様化したほか、売電制度の始まりとともに太陽光発電にも取り組むなど、トレンドの先取りとアイデアで地元でのブランドを築き上げた。そして現在は制震ダンパーを取り入れた高耐震性十ZEHを提案している。
 営業部の宮北圭二副部長は「お施主様にメリットのある要素は、取り入れるように心掛けている。どの様なオー ダーを頂いても、それを実現した上でZEH、耐震等級は2以上となるよう体制を整えている」とこだわりを語る。ZEHとならないケ ースは太陽光発電を搭載しない場合となるが、同社ではLIXIL TEPCOスマートパートナーズが展開する太陽光発電の初期費用ゼロ円モデル『建て得』などを活用し、予算面の課題を解消。「これまで40%程度であった搭載率は70%超にまで上昇した。合わせてZEH率も向上している。建築コストの低減にも繋がっており、有効的に利用している」と語る。
 直近では土地代が下落していることや耐震性の観点から改めて平屋の提案に注力するなど、独自の視点で差別化を図る同社だが、中でも特徴的なのが『専属大工制』という施工体制を敷いている点だ。同社の仕事のみを請け負う専属契約を結び、基本的に1棟を1人の大工で手掛ける体制を構築している。「一人で建築作業を担うため、相応のエ期を要する。しかし技術力を認めた職人が手掛けるため、品質を担保できることや、責任の所在の明確化、またお施主様との距離も縮められることから余りあるメリットがある」と強みを語る。相応のエ期を要する分、期日が設けられる補助金は利用し難くなるが、無論、専属大工と連携をとることで期日内に完エさせている。こだわりを貫き、施主に寄り添った住まいづくりに傾注している。
 既にZEH+の建築実績を有する同社は今後、蓄電池やV2Hの活用などさらに発展した住まい提案を視野に入れている。宮北副部長は「自然災害が多くなり、お客様側から質問を頂くケースが増えている。しかし費用負担も大きいため、有用性をしつかりと見極めてから提案に移りたいと思っている。まずは来年建築するモデルハウスに導人し、効果を検証する」と方向性を示す。様々な要素を取り人れつつも、消費者 H線を最優先する同社のこれからの住宅づくりに期待は膨らむ。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.59に掲載したものより抜粋しています。