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バイオフォーラム:第4回 新しい医療・介護のテクノロジーシンポジウム開催

バイオフォーラム:第4回 新しい医療・介護のテクノロジーシンポジウム開催

 群馬大学医学部教授有志による医工連携活動を展開するバイオフォーラム(白尾智明理事長)は11月30日、新しい医療・介護のテクノロジーシンポジウムを群馬県LABI1 LIFE SELECT高崎にて開催した。今回で第4回を迎えるシンポジウムでは住宅をテーマに学術的知見から介護・健康管理について各大学で専攻する教授が登壇し、同団体に所属する各大学関係者や一般参加者ら110名が参集し聴講した。
 基調講演では『室内空気汚染、花粉症、その抑制法について』と題し、花粉研究第一人者である埼玉大学大学院 理工学研究科の王青躍教授が登壇。室内空気汚染に係る物質は様々だが今回は花粉をテーマに解説した。ヤマダホームズの空気質改善システム『ウェルネスエアー』を活用したスギ花粉アレルゲンに対する評価実験を実施し、成果を発表した。『ウェルネスエアー』は高品質木炭塗料を壁や天井に塗布し、マイナス電気を通電してプラス荷電粒子や化学物質などを引き寄せるというもの。多孔質構造のため、湿度に応じて水分を吸収・放出する調湿性を持つ。研究の結果「木炭素材に花粉アレルゲンが付着し、6時間の担持で73%の濃度軽減に繋がった」と木炭を活用した建材の有用性を述べた。
 続いて前橋工科大学 工学部 建築学科の三田村輝章准教授は「健康長寿の為には住環境の重要性を認識すべき」と建築学における住宅づくりの観点から熱・湿気・空気環境について語った。この他、冬季の住宅内温度差によるヒートショックを軽減する断熱と空調の重要性や、人や住宅の健康に影響を与えるハウスダスト、結露によるカビ問題、建材の接着剤などから発生するホルムアルデヒド等の対策に換気設備や除湿機などの有用性を解説した。特に「近年は喘息などのアレルギー疾患者も増加傾向にある。高湿度の状態“ダンプネス” を抑制する湿度調整が大事」とポイントを挙げた。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.60に掲載したものより抜粋しています。