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【蓄電編】創・蓄・省エネ関連マーケット2019:10万台導入へ 自家消費やレジリエンス需要が牽引

2020/1/20 19:00

【蓄電編】創・蓄・省エネ関連マーケット2019:10万台導入へ 自家消費やレジリエンス需要が牽引

2020/1/20 19:00

 家庭用蓄電システム(系統連系タイプ)の19年出荷台数は、自家消費生活を提案する上で太陽光発電とのセット販売が進んだほか、頻発する長期停電に対する電力レジリエンス需要の高まりなども相まって、前年比58%増の約10万台規模となった。20年は、順次現れる卒FITユーザーへの後付け設置など更なる導入が期待され、新規参入事業者の台頭もあり約12万台に伸長するものと推定する。
 毎年大幅増で推移する同市場だが、19年においては年々低下する太陽光発電システム単価や売電価格によって、より一層、売電から自家消費へと意識がシフト。既築への蓄電システムとのセット販売が進んでいった。無論、太陽光OB客のパワコン更新時期に合わせた導入や、太陽光設置浅ユーザーに対する自家消費や停電時の安心提案で、後付け設置も堅調であった。これまで安定的に販売を続けてきたスマエネ機器販売事業者の多くは、今や月100台以上の実績をつけはじめており、また、新たに蓄電システムを取り扱う事業者も増え、販売のすそ野が広がっている状況である。一方の新築もレジリエンス強化に関する補助金などの後押しもあって、大手ハウスメーカーを中心に「災害に強い家づくり」の提案が強まったことが寄与した。こうして10万台規模まで到達したとみられる同市場だが、蓄電容量のボリュームゾーンについては6kW~10kWhが全体の5割近く、3kWh~6kWhが3割を占め、蓄電用パワコンの仕様別ではハイブリッドタイプが6割で、新築と既築の比率に関しては既築が約8割を占めるとみられる。
 各メーカーでは相次ぐ自然災害や卒FIT市場スタートに合わせて、多様なユーザーに対応できるよう蓄電容量のラインナップ拡充や停電時機能等を向上させ、新製品を矢継ぎ早に投入している。ニチコンでは増産体制を整え、伊藤忠商事では合弁会社の設立を予定するほか、米テスラをはじめとするニューフェイスも続々登場し、市場混戦は必至である。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.60に掲載したものより抜粋しています。