ZEH・LCCM

創心すまい:モデルハウス活用し説明+体感でZEH標準化へ

創心すまい:モデルハウス活用し説明+体感でZEH標準化へ

 福島県いわき市を中心に住宅事業を展開する創心すまい(青木勝利社長)は、18年度よりZEH事業に着手した。ZEHのモデルハウスをオープンし、見学会を実施するなど説明+体感でZEH仕様の標準化に乗り出している。既に多数の実績を挙げており、順調なスタートを切っているが、無論、この背景には様々な苦労、チャレンジがあった。

メーカー支援ツール活用しZEH商品化

 もともとは材木店であったが、1994年に建築部門として『創心すまい』を設立し た。材木の製材・供給だけでは事業継続が難しいと判断し、住宅建築事業に参入。木材の知識を活かし、木をふんだんに活用した住まいを提案、また高気密・高断熱仕様にも穂極的にチャレンジした。しかし「いわき市は東北の最南端に位値する5地域と温暖な地域。高気密・高断熱住宅の営業ノウハウを有していない中、建築費増に見合った提案が響かず、あまり売れなかった。売り手が作りたい家と買い手が求める家にギャップがあった」 とニーズを取り入れることの重要さを痛感し、気が付けばローコスト的な住宅ばかり建てていたという。とはいえ、次々と住宅の方向性を示す政策は打ち出されていく。「高性能化が進む中、長期優良住宅は今後、業界で標準化していくだろうと考え、再び高性能住宅に取り組んだ。補助金を活用することで価格を抑えた上 で断熱・耐震性能を高められたことから提案しやすかった」とし、長期優良の標準化を果たした。
 その後、新たな政策としてZEHが登場。「取り組むべき」と意識するも、これまで苦労した背景には、社長含め従業員は3名という会社規模があった。「商品開発、新たな提案など、現在の体制で手掛ける自信を持てなかった。しかし取り組まなければ今後、新築事業を継続していくことは難しくなる。となれば、割り切ってリフォ ーム専門に切り替えることも考えた」と当時の菖藤を述べる。そんな同社がZEH事業に乗り出したきっかけは、LIXILが加盟店制で展開するスーパ ーウォ ールエ法を採用したことであった。「ーから商品を開発することができなかった中で、同工法と企画商品を活用することでZEHに対応することができた。また提案方法の享受や、棟単価上昇分に対してはファイナンスサービスを利用するなど、支援ツールを活用することでネックとなる部分をカバーできた」と語る。さらに太陽光発電の初期費用ゼロ円モデルを利用することで価格を抑えながらもZEH十長期優良仕様となる商品を確立した。まずはモデルハウスの建築に着手し、現在は通常の家とZEHとのランニングコストのシミュレーションと実際の住空間を体感してもらうことで、順客の理解を得ている。
 政策や業界動向にアンテナを張り、失敗を経験しながらも常にトレンドを取り込んできた同社。「今後IoT化のニーズが高まれば、取り組まなければならない。しつかり対応していきたい」と語る青木社長の住まいづくりへの熱意が印象的だった。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.61に掲載したものより抜粋しています。