インタビュー

ディートレーディング:カバー工法+初期ゼロ太陽光で長寿命化・レジリエンス強化提案、改修時太陽光搭載率10%標榜

ディートレーディング:カバー工法+初期ゼロ太陽光で長寿命化・レジリエンス強化提案、改修時太陽光搭載率10%標榜

 金属屋根『ディーズルーフィング』のメーカーであるディートレーディング(藤山大介社長)は、現在、屋根改修方法の一つであるカバー工法に太陽光発電の初期費用ゼロ円モデルを組み合わせることで、既築住宅への太陽光搭載率増加を図っている。同社は年間約8,000棟に対し屋根材を供給、うちリフォームは4,000件と約半数を占める。改修では80%がカバー工法となっているが、同時に太陽光まで搭載するケースは少なく、初期ゼロモデルを活用することで搭載率10%にまで高めることを目指す。

被災地の復旧+防災提案で展開加速

 開発営業部の鈴木淳一部長は「金属屋根は軽いため持ち運びやすく、1枚あたりの面積も大きい。カバー工法では既存屋根材の上から被せることで葺き替えを行うため施工性が高い。また当社は石粒付鋼板を使用しており、金属屋根に見えない意匠性も有する」と同屋根材の強みを説明する。続けて「ゼロ円モデルを組み合わせることで、屋根屋さんは太陽光の提案も行える。葺き替え工事と同時に設置作業に移れるため効率的。新たな提案要素の付加、さらには棟単価増にも寄与すると考えスタートした」と経緯を語る。そんな中、現在、特に注力しているのが、昨年10月に襲来した台風19号の被災地の復旧である。修復に合わせて、初期ゼロモデルも付帯することで、費用を抑えつつレジリエンス性の向上も提案している。「被害の多くは屋根の損傷。現在も地元事業者は対応に追われ、人手が足りていない状況であり、当社のネットワークから職人を派遣し原状回復のための費用見積りなど応援を行っているところ。提案については現地のゼネコン会社と協力して実施しており、既に5件程度成約頂いた。途中でFIT制度の今年度分の締切を迎えたため、現在はストップしているが、お客様の反応は良い」と手応えを語る。初期ゼロモデルは、TEPCOホームテックのリースサービス『エネカリ』や、長州産業『ソラトモサービス』、レネックス電力『ソーラーメイト』などのPPAを利用している。

 既築向けの展開を強める同社だが、無論、新築に対しても拡販を図る。「軽量であるため屋根荷重を抑えられるほか、太陽光システムは掴み金具で固定するため、屋根に穴を開けずに済む。また撤去時には金具を外せば屋根上には何も残らず、将来的な外観にも配慮できる」と語る。同社は太陽光を搭載した場合でも30年の製品保証を付帯しており「金属屋根特有のメリットや長期保証を武器に、ZEHなど太陽光搭載住宅を手掛けるビルダー・工務店さん向けに積極展開していく」と意気込む。ドローンを使った屋根材や太陽光のメンテナンスを手掛けるなど屋根上に関わるサービスを豊富に揃える同社。ソリューション提案で販売網のさらなる拡大を図る。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.61に掲載したものより抜粋しています。