ZEH・LCCM

ハウジング・コバヤシ:特徴付けた住宅ラインナップで多様なZEHを提案

ハウジング・コバヤシ:特徴付けた住宅ラインナップで多様なZEHを提案

 函館市を中心に地元密着で高性能住宅を展開するハウジング・コバヤシ(村田徹也社長)は、 複数のFCや加盟店制度を利用することで様々な住宅コンセプトを用意し、施主のニーズに対応しつつZEHを提案している。遊び心=面白味を取り入れたデザインにも力を入れ、高い性能も確保することで満足度向上に繋げている。

商品拡充・情報共有など FC制を有効活用

 同社は2014年に「最盛期には180棟規模の受注をしていた創業者から事業承継させて頂き設立した」(岩本光司専務)。新築事業だけでなく、引き継いだ約2,500件のOB客へのアフターメンテやリフォ ーム・リノベ事業にも力を入れている。前身の時代から積極的に新しい要素を取り入れてきたが、岩本専務は 「どんなニーズにも対応できることが強みであった。しかし裏を返せば、住宅商品に特徴がないとも捉えられる。そこでコンセプトが確立しているFCを活用し、特徴のあるラインナップで、それぞれの強みを提案している」と戦略を明かす。実際、南欧風のナチュラルテイストを施したデザイン、床の高低差によってゆるやかに空間を仕切るスキップフロア、動線を意識し上下階の移動がない平屋、性能と価格を両立させたコンパクト住宅など多彩な商品群を展開している。
 
 そんな同社がZEH提案に舵を切る転機となったのは、LIXILが加盟店制で展開するスーパ ーウォ ール (SW)工法への加盟だった。岩本専務は 「 FCや加盟店制利用のメリットは商品面だけではない。最新情報の共有や加盟店同士の横の繋がりなどから得られるものが多い。SW 工法を利用し改めて高気密・高断熱の 住宅の良さやZEHに関するノウハウや知識を深められた」と語る。同工法を用いたモデルハウスでは、高い躯体性能によりZEHにおいても間取りに自由度が増し、随所に遊び心を散りばめたデザインが来場者から好評価を得ているという。

 ZEHへの取組については「函館市は北海道の中でも禎雪量は多くなく、敷地にも余裕があるため、太陽光発竜を搭載しやすく手掛けやすい。また道路も広く搬入作業がスムーズで資材保管も現地で行えることからエ期が短く、人件費を抑えられる。これら要素も価格低減に繋げている。またLIXILさんのウレタン断熱パネル『ヒートコアパネル』でも高い外皮性能が確保できるため、さらに予算を抑えたいという要望に対して活用している」など工夫を凝らす。モデルハウスの体感や光熱費シミュレーションなどしっかりとメリットも伝えることで成約に繋げている。
 今後については 「現在、全館空調システム『YUCACOシステム』の標準化を進めている。ZEHにおいても採用し、 HEAT20 G2グレー ドの外皮性能と併せ、健康・快適な住空間を提供していく。またZEH+やZEH+Rにもチャレンジしていきたい」と方向性を示す。19年度は 3棟のZEHを手掛けた同社。全館空調システムも取り入れ次年度は5棟の建築を目指す。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.62に掲載したものより抜粋しています。