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【News Release】日本総合研究所:北九州・鳥取で地域企業連携による「新しい配電事業」の実現可能性を検証

2021/8/26 18:00

【News Release】日本総合研究所:北九州・鳥取で地域企業連携による「新しい配電事業」の実現可能性を検証

2021/8/26 18:00

発表日:8月26日
発表元:日本総合研究所
表 題:北九州・鳥取で地域企業連携による「新しい配電事業」の実現可能性を検証

 株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 谷崎勝教)は、主催する「ローカルグリッド研究会」(以下「本研究会」、注1)の今年度の活動として、北九州市の住宅街および鳥取市の自治体庁舎周辺における配電事業の可能性検証(以下「本検証」)を開始しました。本検証では、地産地消の配電事業を地域企業が推進する際の課題を明らかにします。

■背景と目的
 本研究会が提唱する、地域における配電事業モデルは、太陽光発電やバイオマス発電といった再生可能エネルギーの導入を最大化させることを目的としています。しかし、主力として期待される太陽光発電は昼間にしか発電できないため、夜間は、昼間の余剰電力を一旦蓄電池に貯めた電力を中心に供給することになります。
 この配電事業モデルを実現させるには、太陽光発電を設置する空きスペースのほか、蓄電池として利用されるEVについて、地域の住民、企業、自治体などから提供してもらう必要があります。また、地域資源である木質バイオマスや廃棄物を用いた発電の活用については、所管する自治体との連携も不可欠です。一方で、カーボンニュートラルという政府方針だけで、地域からそうした協力を得られるかは不透明であり、新たな配電事業がもたらすメリットや課題を地域と一緒に検討を進めなければなりません。
 本検証は、北九州市の住宅街および鳥取市の自治体庁舎周辺のそれぞれにおいて、新しい配電事業モデル(6600V配電網)を構築することを目的に、およそ半年の期間にどれだけ地域の協力合意を実現できるかを測り、そのプロセスを検証するものです。戸建住宅の多い住宅街と自治体庁舎周辺という特性の異なる配電エリアでの検証を進めることで、それぞれどのような地域合意が必要で、どのような課題があるのかを確認し、全国への普及拡大に向けた論点を抽出します。

■配電エリアの概要と検証内容
①住宅街
  (a)配電エリアとしての特性
   ・約700世帯の戸建住宅、集合住宅が集積する住宅街
  (b)地域への主な提案事項
   ・自宅屋根などへの太陽光発電設置
   ・自家用EVの蓄電池としての活用
  (c)協力者に対する主なインセンティブとして検討中のもの
   ・非常時の電力供給
   ・太陽光発電設置や自家用EVの蓄電池提供への対価
  (d)想定される課題
   ・全住民からの同意取得が容易ではない中での地域における協力体制の構築
②自治体庁舎周辺
  (a)配電エリアとしての特性
   ・自治体庁舎および事務所ビル
  (b)地域への主な提案事項
   ・対地域企業: 配電事業への参画
   ・対商業施設等: 太陽光発電設置、社用EVの蓄電池としての活用
  (c)地域に対する主なインセンティブとして検討中のもの
   ・再生可能エネルギー導入拡大による、ゼロカーボン活動の仕組み提供
   ・災害時における電力供給
   ・太陽光発電設置やEVの蓄電池提供への対価
  (d)想定される課題
   ・配電事業者の自治体との協力体制

■今後の予定
 本検証においては、電気事業法が想定する「自治体や需要家等への事前説明会や通知等が十分になされている」状態を、参入許可申請までに満たすことを目指します。事前の事業性検証を実施することへの了解を地域の自治体や住民などから得たのち、適用技術の選定、事業スキームの検討、地域の詳細な情報に基づく収支計算を行う事業性検証を、2022年3月まで行います。
 さらに、上記で事業性を検証し、ステークホルダーの合意が得られた後は、具体的な事業体制を策定し、2022年4月以降に各配電エリアで実証事業を実施する予定です。

■参画企業
 配電事業に関心を持つ、下記の領域の事業者約15社および自治体が参画します。
  電気事業者
  都市ガス事業者
  鉄道事業者
  建設事業者
  石油元売り事業者
  システム関連事業者
  自治体

■活動期間
 2021年12月31日まで

注1: ローカルグリッド研究会
株式会社日本総合研究所が2021年1月に設立した、地域の配電事業の事業モデルの検討と政策提言を行う民間企業研究会。都市ガス、鉄道、建設、石油元売り、システム関連の事業者が参画している。
地域密着型の配電事業の事業モデル検討と政策提言を行う研究会を設立(2021年2月1日)
https://www.jri.co.jp/company/release/2021/0201-2/

〔公式ページ〕
日本総合研究所:北九州・鳥取で地域企業連携による「新しい配電事業」の実現可能性を検証

※掲載テキストは発表情報の全文または一部抜粋です。元となるプレスリリースは発表元による発表当時のものであり、最新情報とは異なる場合があります。※詳細情報は公式ページをご参照ください