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【News Release】経済産業省:物流MaaSの推進に向けて先進的な取組を行う事業者を選定しました

2021/7/26 18:00

【News Release】経済産業省:物流MaaSの推進に向けて先進的な取組を行う事業者を選定しました

2021/7/26 18:00

発表日:7月26日
発表元:経済産業省
表 題:物流MaaSの推進に向けて先進的な取組を行う事業者を選定しました

 経済産業省では、「物流MaaS勉強会とりまとめ」で示した取組の方向性を踏まえ、令和2年度より、物流分野における新しいモビリティサービス(物流MaaS)の推進に向けた実証事業を実施しています。今年度も、令和2年度の成果を生かしつつ、「トラックデータ連携の仕組み確立」、「見える化・混載・自動化等による輸配送効率化」「電動商用車活用・エネルギーマネジメントの導入ユースケース等に係る検証」の3つの取組を推進します。この度、後ろの2つの取組(輸配送効率化・電動商用車活用)については、公募を通じて先進実証を行う事業者を選定しました。経済産業省では、「トラックデータ連携」の取組と併せて、今後も物流分野の課題解決に貢献する取組を推進していきます。

1.これまでの「物流MaaS」の取組について
 経済産業省では、慢性的な需要過多・人手不足などの物流業界を取り巻く現状と課題を踏まえ、令和元年度において、有識者や商用車メーカー、荷主・運送事業者、ITソリューション事業者等の民間事業者等の参加のもと、物流分野における新しいモビリティサービス(物流MaaS)勉強会を開催し、令和2年4月、商用車業界としての取組として以下の3つの方向性を取りまとめました。

1.トラックデータ連携の仕組み確立
2.見える化・混載による輸配送効率化
3.電動商用車活用・エネルギーマネジメントに係る検証

 令和2年度においては、これらの方向性を踏まえ、それぞれ複数の民間事業者と連携して実証事業に取り組み、以下の成果を得られました。

1.トラックデータ連携の仕組み確立
 協調領域としてスモールスタートできる方向性として、安全性向上や人手不足対応など、物流業界全体での共益的なユースケースを確認。

 ユースケースに照らして令和3年度から連携可能なデータを特定し、危険運転挙動を横断的にプロットするハザードマップ生成に向けた調査を実施。

2.見える化・混載による輸配送効率化
 トラックの荷台内へのセンサー設置等により、リアルタイムでトラック内の積載状況を立体的に把握可能であることを確認。

 専用端末を通じて、特殊貨物に係る工場の出荷から顧客までの位置情報を把握し、積載効率の向上が図れることを確認。

3.電動商用車活用・エネルギーマネジメントに係る検証
 軽貨物EVを独自開発し、ガソリン車との性能比較や車両価格・充電器設置費用を踏まえたライフタイム経済性の分析を実施。

 EV普及と充電インフラ整備を一体的に進めるモデルエリアを構築し、共同利用型の急速充電オペレーションモデル等を検証することで当該成立可能性を確認。

 EVバスに適した運行オペレーションへの転換を可能とするエネマネシステムの構築における課題の解決策を整理。

2.令和3年度「物流MaaS」公募による事業者の選定
 令和3年度においても、令和2年度の実証事業の成果を生かしつつ、引き続き先進的な取組の実証事業を実施していきます。

 その際、「トラックデータ連携の仕組み確立」については、令和3年度「無人自動運転等の先進MaaS実装加速化推進事業(無人自動運転等の先進MaaS実装加速化のための総合的な調査検討・調整プロジェクト)の中において昨年度からの取組を継続して実施することとしました。

 その上で、「見える化・混載・自動化等による輸配送効率化」については株式会社野村総合研究所、「電動商用車活用・エネルギーマネジメントの導入ユースケース等に係る検証」については一般社団法人環境パートナーシップ会議・AZAPA株式会社を、それぞれ事務局とし、先進的な実証の取組を実施いただける事業者を、6月7日より募集しました。その結果、9事業者から応募があり、外部有識者などによる厳正な審査を経て、以下7事業者を選定しました。

「見える化・混載・自動化等による輸配送効率化」

 積載率の向上を目指し、荷姿標準化の効果(CO2削減、省人化)を検証するとともに、将来の自動クロスドック(結節点)運用に向けた自動荷役技術の企画及び課題の抽出を行う。
選定事業者:NEXT Logistics Japan(株)

 安全で効率的な物流を目指すために、油圧センサーユニットを車両に装着し架装設備の見える化を検証するとともに、保険会社等と連携し、整備・運行記録等を用いた分析モデルの構築等を行う。
選定事業者:三菱ロジスネクスト(株)

「電動商用車活用・エネルギーマネジメントに係る検証」

 交換式バッテリーを搭載した軽貨物EVを製作し、テストコースにて配送サービスを模した運用を実証する。また、交換式バッテリーの充電方法、荷物の積載中にバッテリー交換を行う運用の成立性や人数・時間などのコスト等を算出し可視化する。
選定事業者:(株)ミツバ

 小容量バッテリーのEVバスでの運行・導入費用の抑制を目指し、地方部の路線バスを対象に、運行管理とエネルギー管理をエネマネシステムで一体的に実施するコンセプト検証を実施する。
選定事業者:(株)みちのりホールディングス

 支線配送業務向けに設計したミニカー区分の小型電動車を、宅配業務の現場で実際に運用し、小型電動車の課題、現場ニーズに応じた仕様、望ましい運用システム、関連設備のあり方を明確にし、かつ事業面のメリット(車両コスト削減、業務効率改善等)や社会的な価値(CO2排出量削減、高齢者対策等)を検証する。
選定事業者:長瀬産業(株)

 複数の交通事業者やクルマのバリューチェーンを担う地元の事業者が連携して、自動運転EVを活用した運送サービスを提供する場合の課題を整理するため、自動運転EV車両の運行や車両整備等を共同実施する運用性を検証する。
選定事業者:MONET Technologies(株)

 法人ユーザーを対象に、「共同利用型充電サービス」を提供し、先行的なEV普及と充電インフラ整備を一体的に進めるとともに、横展開が可能なモデルを構築する。なお、サービスには 時間帯別料金(ダイナミックプライシング含む)に加え、100%再生可能エネルギーによるカーボンフリー充電を取り入れる。
選定事業者:東京電力ホールディングス(株)

 なお、本年度、物流MaaSで実施する事業概要の詳細は、「トラックデータ連携の仕組確立」を含めて別紙(資料1)にまとめているので、そちらを御参照ください。

(資料1)物流MaaS R3年度実証事業概要(PDF形式:1,737KB)
 https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210726008/20210726008-1.pdf

 経済産業省では、これらの取組を通じて、物流分野の課題解決に引き続き貢献していきます。

〔公式ページ〕
経済産業省:物流MaaSの推進に向けて先進的な取組を行う事業者を選定しました

※掲載テキストは発表情報の全文または一部抜粋です。元となるプレスリリースは発表元による発表当時のものであり、最新情報とは異なる場合があります。※詳細情報は公式ページをご参照ください