News Release

【年頭所感】日本電機工業会:2021年 会長年頭所感

2021/1/4 18:22

【年頭所感】日本電機工業会:2021年 会長年頭所感

2021/1/4 18:22

発表日:2021年1月4日
発表者:日本電機工業会
表 題:2021年 会長年頭所感

 新年、あけましておめでとうございます。
 経済産業省をはじめ、関係省庁、関連団体、会員の皆さまには、日頃より当工業会の活動に多大なるご支援、ご尽力をいただき、心より御礼申し上げます。
 2021年の年頭に当たり、謹んで所感を申し上げます。

 始めに、新型コロナウイルス感染症で被害を受けられた皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。また、感染拡大防止にご尽力されている医療従事者の皆さまに、心より感謝と敬意を表します。

 昨年は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、経済および社会に甚大な影響をもたらしました。
 現在に至るも正常化への不透明感があり、予断を許さない状況にあります。
 このような状況の中、電機業界の動向として、一般社団法人日本電機工業会(JEMA)の重電機器と白物家電機器を合わせた2020年度 上期生産実績は、2兆4043億円、前年同期比89.5%となりました。

 さて、JEMAでは、昨年4月から組織改編による新体制の下、次の新しい重点項目を設定し、事業を進めております。

  1.エネルギー・環境戦略推進による持続可能な社会の実現
  2.グローバル市場拡大に向けた新たなIoT戦略と国際標準化の推進
  3.技術基盤強化とイノベーションによる新市場創出

 まず、一つめは、「エネルギー・環境戦略推進による持続可能な社会の実現」についてです。

 次期エネルギー基本計画見直しの議論が昨年より開始され、政府が発表した「2050年温室効果ガス排出量実質ゼロ」に向けた本格的な議論が進められております。
 これらの動向に対して、JEMAとしても、エネルギー自給率の向上、サプライチェーン再構築、3E+S等の観点から、重要なベースロード電源としての原子力発電継続の必要性や、原子力技術・人材の維持、さらに、再生可能エネルギーの持続的導入拡大と主力電源化、送電網拡充と分散型電源導入促進の重要性等を含めた意見発信をすべく、新たな組織体制で、全体を俯瞰しながら、準備を進めております。
 今後も国の政策動向を注視しながら、2050年を見据えて、電力・エネルギー政策への提言を通して、電機業界の市場拡大を図っていきます。

 二つめの「グローバル市場拡大に向けた新たなIoT戦略と国際標準化の推進」についてです。

 JEMAではデジタルデータ活用による新たな付加価値の創出や、製品群の横串活動および国際標準化について、これらの事業をさらに推進するため、新部門を設置することにより、活動体制を強化しています。多様化するエネルギーサービスに対応するためのシステム規格やSDGs (*1)で提唱されている社会的課題を解決するための基盤技術等に関して、会員企業からご要望をお聞きし、市場ニーズに基づく新たな分野への対応を推進しています。
 例えば、需給調整市場開始に伴うVPP (*2)環境整備等に加え、市場拡大のためのインセンティブ創出を伴う需給一体型エネルギーサービスの構築や分散型電源システム連携の構築、データ利活用、HEMS (*3)の推進とこれらに関連した国際標準化等が挙げられます。
 一方、IoT (*4)、AI等を活用し、省エネ・安全安心・快適さを実現するスマート家電やスマートホームをはじめ、スマートマニュファクチャリングの国際標準化活動等、JEMAでは幅広くグローバル市場での導入拡大を目指します。
 今後も、わが国が目指すSociety5.0の実現に向けて、電機業界として議論を深め、社会課題解決につなげるべく、積極的に取り組んでまいります。

 三つめの「技術基盤強化とイノベーションによる新市場創出」についてです。

 JEMAは、これまで、さまざまな製品とテーマの標準化、基準化を行い、電機産業の技術基盤強化を推進してきました。一方、これまでの技術や知見を基盤としたイノベーションによる新市場創出への取組みも新しい課題として開始しております。
 例えば、ESG (*5)評価に見られるように、社会、経済のグリーン化(会員企業が製品等を製造・提供する際に、より高い環境性能を目指すことや、環境対応に際しての経済的インセンティブと社会的責任の観点が重要)やイノベーション技術への事業転換が必要とされる中で、これらの事業活動や技術の環境価値を訴求し、企業競争力を高めていくため、市場創出を支援する環境価値の評価基準を整備することが、重要になってきております。
 JEMAとして、企業の取組み努力や将来性にスポットを当て、価値の可視化を図り、市場創出のサポートにつなげる支援が必要と考えており、今後、電機産業の特徴を踏まえた評価基準を整備し、主に企業の事業活動や技術の環境価値を対象にグリーンな事業、製品技術のスクリーニングを可能にする環境を構築していきます。
 また、オートメーションをはじめ、IoT関連製品、AI、サービス等の最先端技術を展示するIIFES(アイアイフェス)について、2021年の11月に開催を予定しておりましたが、東京オリンピック・パラリンピック延期の影響により、2022年1月26日~28日に会期を変更することとなりましたので、併せてお伝えさせていただきます。

 最後になりますが、コロナ禍の一日も早い収束と景気回復を期待するとともに、社会貢献を通して電機産業のプレゼンス向上を目指していきたいと存じます。

 JEMAは、今後も電機業界ならびに会員企業様への事業貢献に向けた活動に対し、一層力強く取り組んでいく所存です。
 この一年の皆さま方のご発展と、さらなるご活躍を祈念いたしまして、私の新年のご挨拶とさせていただきます。

 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
〔公式ページ〕
2021年 会長年頭所感
※掲載テキストは発表情報の全文または一部抜粋です。元となるプレスリリースは発表元による発表当時のものであり、最新情報とは異なる場合があります。※詳細情報は公式ページをご参照ください