発表日:2020年7月8日
発表者:総務省
表 題:2020年4月に急増した休業者のその後 労働力調査2020年5月分の結果から
1 はじめに
2020年4月、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発出される中で休業者が急増し、その数は597万人(1年前に比べて420万人の増加)と過去最多を記録しました。緊急事態宣言が全面解除となった直後の5月分の労働力調査(調査期間は5月25日~31日の1週間)の結果をみると、休業者数は423万人(1年前に比べ274万人の増加)と引き続き高い水準となっていますが、増加の幅は420万人から274万人と、146万人縮小しました。4月に休業者であった方は、5月にどうなったのでしょうか。
2 労働力調査における就業状態の分類と休業者の定義
休業者がどのような状態に移行したかを考えるに当たり、まずは労働力調査における就業状態の分類と休業者の定義を確認しておきましょう。
就業者のうち、従業者は調査週間中に収入を伴う仕事を少しでも(1時間以上)した者をいい、休業者は以下の者をいいます。
休業者とは、仕事を持ちながら、調査週間中に少しも仕事をしなかった者のうち、
(1) 雇用者(会社、団体、官公庁又は自営業主や個人家庭に雇われて給料・賃金を得ている者及び会社、団体の役員)で、給料・賃金の支払を受けている者又は受けることになっている者
(2) 自営業主(個人経営の事業を営んでいる者)で、自分の経営する事業を持ったままで、その仕事を休み始めてから30日にならない者
雇用者については、職場の就業規則などで定められている育児(介護)休業期間中の者も、職場から給料・賃金や育児休業給付金などをもらっている場合は休業者となります。
また、家族従業者(自営業主の家族で、その自営業主の営む事業に無給で従事している者)で調査週間中に少しも仕事をしなかった者は休業者とはならず、完全失業者又は非労働力人口のいずれかとなります。
4月に休業者であった方は、5月には引き続き休業者に留まったか、従業者に戻ったか、完全失業者となったか、労働市場から退出して非労働力人口になったか、のいずれかになります。
3 4月に休業者であった方の就業異動の状況
労働力調査は、毎月約4万世帯、約10万人を対象に調査を行っていますが、そのうちの約半数は4月と5月に連続して調査対象となっています。このうち、4月に休業者であった方が5月にどのような就業状態に移行したかを示しているのが以下の表です。
これによると、2020年4月に休業者であった方573万人のうち、引き続き休業者の方が283万人、従業者に移行した方が252万人、完全失業者に移行した方が10万人、非労働力人口に移行した方が28万人となっています。
また、割合でみると、
・引き続き休業者の方 49.4%
・従業者に移行した方 44.0%
・完全失業者に移行した方 1.7%
・非労働力人口に移行した方 4.9%
となっており、4月に休業者であった方のうち、約半数は休業の状態が続いているものの、残りの多くの方は仕事に戻り、一部の方は完全失業者又は非労働力人口になったことが分かります。
休業者はいまだに高い水準が続いています。休業者がどうなっていくのか、今後も引き続きその動向を十分に注意して見ていきたいと思います。
〔公式ページ〕
▷2020年4月に急増した休業者のその後 ~ 労働力調査2020年5月分の結果から ~
※掲載テキストは発表情報の全文または一部抜粋です。元となるプレスリリースは発表元による発表当時のものであり、最新情報とは異なる場合があります。※詳細情報は公式ページをご参照ください。
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