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【続報!】ZEHビルダー実績報告:19年度平均39%、5段階評価も明らかに

2020/5/25 3:00

【続報!】ZEHビルダー実績報告:19年度平均39%、5段階評価も明らかに

2020/5/25 3:00

 過半数目標達成年のタイムリミットが迫っている。統計数字の公表には1年の時差があるとはいえ、前年実績から普及動向は概ね推測できることだろう。19年度の結果や如何に。(SII:5月22日公表資料より集計)

登録数は前年比5%増の7486件に、「星」獲得ビルダーは1911社

 19年度の纏めとして参画事業者の現状から分析してみる。今年で5年目となるZEHビルダー/プランナー登録は前年比5%増の7,486件だった。2年目以降の推移は例年緩やかである。一方、新築住宅着工に対する供給カバー率は6割程度を占め、全国展開する分譲系の未登録ビルダーを除けば概ね登録が完了したものとみられる。供給力別にみると着工シェアの4割程度を大手・中堅ハウスメーカーが握る。社数別には5棟前後の地場ビルダーが半数を占め100棟未満で全体の9割を占めている。この点は住宅市場全体の構図と相違はない。

 地域分布については登録数が微増であったことから昨年と同様に中部、関東、近畿、都道府県別では静岡県、愛知県、福岡、神奈川、大阪に集中していることに変化はなかった。需要地に応じて全国をカバーしている。登録種別は97%が〔B登録〕で残り3%が難所と言われる北海道の区分〔A登録〕だった。注文・建売・改修の分野別には〔新築注文住宅〕を選択する事業者が大半を占めているが〔建売〕は25%程度と全体に比べやや少ない感がある。注目スべきは昨年より始まった「5つ星」制度である。今年は昨年見送られた5段階での評価が公表された。星マークを獲得したのは全体の25%に相当する計1911社。内訳は、5つ星:149社、4つ星:247社、3つ星:401社、2つ星:832社、1つ星:282社だった。

新型コロナの影響か?未報告ビルダー5000社超え
二極化傾向鮮明、5段階評価内でも


 本題となる実績報告をみてみる。ZEHビルダー/プランナーは補助金活用にあたり各種申告が義務付けられている。たが、報告を行った事業者は全体の3割に満たない1937社で、7割に相当する5,549社が未報告だった。昨年は「報告無」が3割であったことから、報告時期と重なる新型コロナウイルス感染症対策の影響があったものとみられる。やや正確性に欠ける統計データであるが「報告有」のうち、1棟以上の実績があったのは全体の1割程度(900社)だった。事業者が掲げた目標値に対し実績値を差し引いたものを「達成度」とすると「目標を下回った」が8割(1550社)、「上回った」「目標通り」で2割(387社)。過半数を達成したのは320社だった。
 
 全体傾向を実績平均で比較すると「実績無し」を除いた場合は39%(前年比+3%)と水準が高まってきている。一方で「実績無し」を含むと前年よりやや上昇するも18%(+4%)まで低下する。最高ランクを獲得した5つ星ビルダーの実績平均は64%で1つ星が9%であったことから評価制度内でも大きく差が開いていることが判る。大手陣営にも。昨年3社が既に過半数目標を達成していたが、今年はセキスイハイム(80%)、一条工務店(77%)、旭化成ホームズ(61%)、サンヨーホームズ(54%)、パナソニックホームズ(52%)、住友林業(51%)の6社が50%を超えた。主要30社の平均実績は30%程度だが、分譲系を中心に依然「ゼロ」の事業者も一定数みられる。ZEHロードマップフォローアップ委員会でも指摘されてきた通り「やる気がある・ない」「できる・できない」の二極化傾向が続いている。

※詳細は月刊スマートハウスNo.65号で詳報します。

〔参照〕
環境共創イニシアチブ:ZEHビルダー/プランナー 一覧

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