インタビュー

CLUE:ドローンベンチャーの挑戦 住宅太陽光メンテの救世主なるか!?

CLUE:ドローンベンチャーの挑戦 住宅太陽光メンテの救世主なるか!?

 住宅太陽光メンテの救世主となるか。ドローン関連事業を手掛けるCLUE(クルー、阿部亮介社長、資本金3.7億円)は19年4月より赤外線カメラを搭載したドローンによる建物点検ソフトの提供を開始。消費者庁の火災事故調査報告、卒FITユーザーの出現により太陽光市場での応用に注目が集まる。

ワンタップで操縦から報告書まで

 14年8月に設立した同社は特化型ベンチャーキャピタルDrone Fundなど複数社から出資を受ける気鋭のベンチャー企業。17年11月より屋根外壁点検アプリ『DroneRoofer(ドローンルーファー)』の提供を開始。主業としている。
 「これは、その名の通りドローンを活用し屋根・外装点検を行うというもの。ハシゴや足場を組まずに行えることから作業安全確保や諸費用の削減だけでなく現場の高齢化・人材不足にも貢献できる」(馬渕氏)という。同社の試算によれば「従来の点検作業にかかる時間から平均約7割の短縮になる」とし「誰でも簡単に使いこなせるよう操作性を重視している。ドローンの操縦はワンタップで自動化。写真撮影、顧客管理、写真加工、面積計算、報告書の作成までを一括で行える」と説明した。
 提供するアプリ・パッケージは『iPad、ドローン本体、ドローンの飛行に必要な航空局への飛行許可取得代行、万が一の事故や故障の際の動産総合保険及び対人・対物賠償責任保険、導入・アフターサポート』で構成され「初期費用+月額利用形態」をとっている。具体的な数値は戦略上非公開としているがマーケティングを担当する萩原氏は「屋根施工関連だけでなく、住宅事業者、リフォーム分野など契約数は年々伸びている。ただ、認知度は高まってきているもののドローンはまだ新しい存在。『どうやって使ったら良いの?』『誰に頼めばいいの?』『理由はわからないが何だか怖い』といったイメージが先行している。一方で様々な課題を解決できることからドローンルーファー等のソリューションを通じ新たな価値を生み出していきたい」との想いを語っている。

機体の進化で赤外線画像撮影に対応

 同社がパッケージ化するドローンは業界では名の知れたDJI製。機体自体に赤外線カメラが搭載されたことから光学+赤外線画像による建物点検を可能とした。産業用太陽光分野では既にドローンメンテが始まっているが、住宅用では珍しい。こちらも屋根点検同様に操作はボタン一つ。ホットスポット等の簡易検知が可能だ。「住宅に設置された太陽光パネルの効率的な点検が可能となる。これから卒FITユーザーの出現など点検が必要な案件が増えてくる。ドローンによるメンテナンスの浸透と技術確立を図っていきたい」と意気込む。機体の性能が向上すれば点検精度の幅も広がっていくという。

※本記事は次代住宅専門誌 『月刊スマートハウス』 No.63に掲載したものより抜粋しています。