蓄電池

島津製作所、リチウムイオンの状態変化解析システム発売

2020/3/10 18:00

島津製作所、リチウムイオンの状態変化解析システム発売

2020/3/10 18:00

 島津製作所は3月10日、リチウムイオン電池正極材向け化学結合状態解析システムを発売した。正極材でのリチウムイオンの移動による状態変化を定量値で把握できる世界で唯一の製品としている。6,250万円(税込)で販売し、3年で60台の販売を目指す。



 リチウムイオン電池の高容量化や長寿命化に向けた研究において、充放電に伴うリチウムイオンの移動量の変化を把握する必要がある。特に正極材については、非破壊分析という特長を持つX線が有効とされている。

 同システム『Xspecia(エクスペシア)』は分光方式を採用することで、高いエネルギー分解能が得られ、従来の蛍光X線分析装置では見ることができなかった元素の化学状態変化を確認できる。特徴を活かし正極材となるニッケル、コバルト、マンガンと複合系の状態分析に対応し同時に測定できるものとなった。本体が172×90×120cmと実験室に置けるサイズのため、外部の放射光施設での分析を不要とすることから、販売を通じて性能と品質の向上に貢献するとした。

〔参照〕
世界で初めて実験室での分析を実現 リチウムイオン電池正極材向け化学結合状態解析システム「Xspecia」を発売